リスニングは誰だってできる!どうして聞き取れないの?

「聞き流し」「シャドーイング」「ディクテーション」「海外ドラマ」「ポッドキャスト」「TED」など、英語のリスニング力を向上させる学習法はいろいろあります。この記事にたどり着いた人の中には、これらの音声や学習法を使った経験があるかもしれません。

それぞれの音声や学習法は一定の効果が見られるものの、万人に適しているとは言えません。なぜなら、人それぞれ聞き取れない理由が異なるから。ですから、ある人には効果があっても、ある人には効果がないという結果になってしまいます。

リスニングが重要な理由

英語学習においてリスニングは非常に重要で、英語は耳から覚えるのが最適だと考えています。ここでは、リスニングが重要な理由を見ていきましょう。

英語は文字通りに発音されない

従来の日本の英語教育では単語や文法は多く学びますが、リスニングやスピーキングはあまり重視されませんでした。ですから「文字を見れば理解できても聞くと理解できない」という現象が起き、リスニングやスピーキングにますます苦手意識を持つようになったのではないでしょうか。

「文字を見れば理解できても聞くと理解できない」のは、英語が文字通りに発音されない言語だから。英語は発話するときに音がつながったり脱落したりするだけでなく、つながることで文字とは異なる音になる場合もあります。これが聞き取れない理由の1つです。

例えば、This is(ディスィズ)のような音のつながりではあまり違和感がありませんが、I like it(アイライキッ)や What’s your name?(ワッチュァネィム)ではどうでしょう?

私自身はネイティブと話し始めたころに、「『ライキッ』って何だ?知らない単語だ」と思いました。要するに、likeもitも知っているのに、つながった音を知らなかったということ。What’s your name? も同様で、それぞれの単語は決して難しくありませんが、文章として音がつながると理解しにくくなりますよね。

このような音のつながりや脱落はたくさん存在するので、耳から学ぶ、つまりリスニングが重要だという結論に至りました。

<音がつながったり脱落したりして変化する例>

stand up(発音:スタンダッ)⇒ dとuがつながり「ダ」のような音になり、upのpの音が脱落する

think of(発音:スィンコv)⇒ kとoがつながり「コ」のような音になりfはわずかにvの音が残る

get you(発音:ゲッチュゥ)⇒ tとyがつながり「チュ」のような音に変化する

would you(発音:ウッジュゥ)⇒ dとyがつながり「ジュ」のような音に変化する

英語には日本語にない音がある

英語には日本語にない音が存在することも、リスニングが重要な理由の1つです。よく知られたところでは、「th」「f」「v」などでしょう。もちろん、日本語では同じ音とされるRとLやBとVの使い分けも含まれます。

おそらく日本語では同じ音とされるRとLの両方が入った単語は、リスニングだけでなくスピーキングでも苦労するかもしれません。

 

<RとLの両方が入った単語>

really(本当に)

relative(親戚)

relax(リラックスする)

reply(返事をする)

roll(転がる)

<間違えやすいRとLの単語>

Rice(米) – lice(シラミ[louseの複数形])

pray(祈る) – play(遊ぶ)

river(川) – liver(肝臓)

grass(草) – glass(ガラス・コップ)

right(正しい・右) – light(光・明かり)

<間違えやすいBとVの単語>

best(最もよい) – vest(ベスト・チョッキ)

base(土台・塁) – vase(花瓶)

bile(不機嫌) – vile(不道徳な・下品な)

bet(賭ける) – vet(獣医師)

boat(ボート) – vote(投票)

このような違いの他に、母音の違いもリスニングを重視する理由です。日本語の母音は「aiueo」の5つですが、英語には少なくとも15の母音があると言われています。例えば、日本語では「あ」のような音でも、英語では聞き取りが難しい場合があるので例を示しておきましょう。

stuff /stʌf/ – staff /stæf/

suck /sʌk/ – sack /sæk/ – sock /sɑːk/

hut /hʌt/ – hat /hæt/ – hot /hɑːt/

聞き取れないと双方向コミュニケーションが成り立たない

ざっくりと英語独特の音についてふれましたが、これらの音や音の変化を知らなければ、英語を聞き取ることはできません。聞き取ることができなければ、当然のことながら理解することも不可能です。つまり正しい音を知らないと、英語は理解できないということ。だからリスニングが大切なのです。

これまでに示した音の変化の他に、正しい音を知るためには「シラブル(音節)数」や「強勢アクセント(強く発音する部分)」にも注意を払う必要があります。なぜなら、シラブル数を知らないと単語を聞き分けることができないから。1シラブルに1つの母音があってシラブルごとに発音され、強勢アクセントが置かれる位置により品詞が異なる単語もあります。

以下のtowelの場合、日本語では「タオル」と3音(拍)で発音しますが、英語では2シラブル、つまり2音です。1つ目のシラブルに強勢アクセントが置かれるので、その部分が高く(強く)発音されます。

<シラブル数と母音の例>

1シラブル ⇒ hair:hair /her/ (/er/が母音)

2シラブル ⇒ towel:tow・el /ˈtaʊəl/ (/aʊ /と/əl/が母音で強勢アクセントは語頭の/taʊ/)

3シラブル ⇒ pajama:pa・ja・ma /pəˈdʒæmə/ (/ə/と/æ/と/ə/が母音で、強勢アクセントは2つ目のシラブルの/dʒæ/)

<強勢アクセントの位置で品詞が変わる単語>※大文字が強勢アクセントの位置

reject:名詞 ⇒ RE・ject, 動詞 ⇒ re・JECT

produce:名詞 ⇒ PRO・duce, 動詞 ⇒ pro-DUCE

address:名詞 ⇒ ADD-ress, 動詞 ⇒ add-RESS

英語独特の音の変化と同様に、シラブル数や強勢アクセントの位置を知らないと英語は理解できません。理解できないということは、双方向のコミュニケーションが成り立たないということ。つまり、耳から英語を聞いて理解できなければ、英語でのコミュニケーションは始まらないのです。

英語の知識とリスニング

リスニングが英語学習において重要だということが理解できたところで、英語のリスニングに必要な知識やスキルについて簡単に確認しましょう。

リスニングに必要な知識やスキルを確認する理由は、自分に不足している知識やスキルを見つけるため。自分に不足している知識やスキルが見つかれば、どのようなリスニング学習が必要なのかがわかります。

私自身はこのように自分に不足している知識やスキルを見つけて、リスニング力を強化しました。「リスニングには○○が効果的」という言葉に惑わされず、自分に必要なリスニング学習を見つけるのが習得の近道です!

英語の知識とは

どんな言語でも習得するのに必要な知識は、「語彙」「文法」「発音」の3つ。もちろん英語も同様です。

語彙

語彙とは、使いこなせる英単語のこと。使いこなせるとは、意味だけでなく単語の音も脳内に記憶されている状態です。語彙力が上がればリスニングはもちろん、英語でのコミュニケーションが円滑になります。

文法

文法は単語を並べるルールのこと。肯定文・否定文・疑問文では単語を並べるルールが異なり、その順番がそれぞれの文の違いを生み出しています。英語の文法の難しさは多くのルールがあることで、これは英語が他の言語の影響を受けてできた言語だから。さらに、数えられる・数えられない名詞の区別や、冠詞(aやtheなど)のような日本語にはない概念が存在することも文法を難しくしている一因かもしれません。

発音

発音は舌の位置や唇の形などを変え、声帯を介して音として口から発することで、その音を認知することも含まれます。言うまでもなく、音のつながりや脱落、英語特有のリズムなども発音の一部です。

リスニングに必要なスキルとは

リスニングに必要なスキルは、「音声知覚」と「意味理解」です。リスニング力を向上させるためには、この2つのスキルを鍛える必要があります。

音声知覚

音声知覚は、簡単に言うと「音を聞き取る」こと。耳から聞こえた音がどんな音なのか、何を言っているのかを知覚することを指します。知覚とは、感じ取った外界の刺激(音)に意味づけをする過程のこと。例えば、冷たいものにふれたとき、皮膚が刺激(冷たさ)に基づく感覚情報を捉え、それに対して「冷たい」という意味づけをする過程を指します。

リスニングの場合は耳から聞こえた音が英語で、その英語がどんな単語で表現されているのかを捉えることです。

意味理解

意味理解は、知覚した音を自分の脳内に貯蔵されたデータベースにある語彙・文法・発音という英語の知識と照合して音の意味を理解すること。リスニングは「音声知覚」と「意味理解」というプロセスで進むため、リスニングがなかなか上達しないという人は、プロセスのどこに課題があるのかを見極めることが重要です。

英語が聞き取れない理由と学習法

リスニング力を向上させるためには、自分が聞き取れない理由を知ることが最も重要です。理由がわからなければ、対策が立てられませんからね。

リスニングは聞き取れない理由に合った学習をしなければ、効果は上がらないと言っても過言ではありません。聞き取れない理由を見ていきましょう。

 

理由1:語彙や文法の知識が不足している

聞いた英文の文字を読んでも理解できない人は、語彙と文法の知識が不足しています。誰しもが最初はこのような状態でしょう。

語彙力はリスニングの基本となる知識です。知らない単語は何度聞いても理解できませんから、語彙力を上げることから始めましょう。最初に必要なのは、中学英語で使われる基本的な単語です。約1,000語あると言われていますが、基本的な動詞、例えばhave、take、getのように頻繁に使われる動詞は複数の意味があるので、句動詞とともに覚えると効率的です。

句動詞とは、「動詞+副詞」「動詞+前置詞」「動詞+副詞+前置詞」の形で表され、元の動詞とは異なる意味になるもの。日常会話でもよく使われるので、しっかりおさえておきましょう。

私自身は未知の単語を耳にしたときには必ず後で確認し、その単語を実際の会話で使うことを心がけました。医療に関する単語は難しいので、今でも診察を受けたときに未知の単語を耳にしたときには医者に書いてもらい、帰宅後に確認するようにしています。語彙力を高めるには、このように少しずつ覚えていくしかありません。当然のことながら、新しい単語は発音しながら音で覚えましょう。

語彙力を身につけながら、文法も学習します。最初は中学英語の文法を見直しましょう。中学英語の文法を理解していれば、日常会話は円滑に進むはずです。読んで理解できるように文法力もつけ、聞いて理解できるようになるまで音読練習をしましょう。

理由2:発音の知識が不足している

英文を聞いただけでは理解できないものの、読めば理解できるという人は発音の知識が不足しています。すでに述べた英語特有の音の変化が理解できていないということ。さらに、正しい音が脳内に記憶されていないことも考えられます。正しい音が脳内に貯蔵されていなければ、照合することができないからです。

このような場合は、発音練習から始めます。母音の音の違いはもちろん、音のつながりや脱落などを実際に聞いて、自分で発話して脳内に音を記憶させましょう。

シャドーイングやディクテーションなどがおすすめですが、大切なことは自分の英語レベルに合った音声を使うこと。音の変化を知識として持つだけでなく、音で聞き分けられるように練習するのがポイントです。

理由3:音声知覚と意味理解が自動化されていない

英文を聞き取れても意味を理解するまでに時間がかかる人は、音声知覚と意味理解が自動化されていないことが考えられます。つまり、スピードについていけないということ。これも誰しもが通る道ですが、「英語から日本語へ訳す」というステップを踏んでいることが一因です。

次々と進む会話の中で、日本語を介在させればステップが増えるのでスピードについていけないのは当然のこと。日本語を介在させずに英語を英語で理解するようにしなければなりません。

このような場合もシャドーイングが効果的ですが、スラッシュリーディングも英語脳を作るのに役立つので取り入れてみてください。

自動化できるようになるには時間がかかりますが、興味がある海外ドラマ、洋楽、ポッドキャスト、TED、ラジオなどを活用すると楽しく学べます。より多くの音声を聞いたり実際に英語で会話したりしながら、時間をかけて自動化していくしか道はありません。

理由4:誤った学習法を取り入れている

いろいろなリスニング学習を試しているのに効果が見られないという人は、誤った学習法を取り入れている可能性があります。すでに述べたように、聞き取りができない理由に合った学習をしなければ効果は上がりません。

聞き流しだけをやっている場合は、それだけでは聞き取れるようにならないので注意が必要です。もちろん、まったく効果がないとは言いません。英語の音に慣れるという観点では、効果があると考えられます。

リスニングの機会を増やしたいなら

リスニングに限らず英語力を向上させたいなら、「なぜできないのか」という理由を明らかにして、理論的に学習を進めることが大切です。「どうして聞き取れないのか」がわかれば、その理由に合った学習をするだけ!シンプルに1つずつ課題をクリアしていけば、必ずリスニング力は向上します。リスニングの機会を増やしたいという人は、ぜひ、GROBAL CROWNの無料体験レッスンを試してみましょう!

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