双方向イマージョン教育とは?得られるメリットやデメリットなど詳しく解説

英語を学ぶ男の子

双方向イマージョン教育とは?得られるメリットやデメリットなど詳しく解説

バイリンガル教育に興味がある保護者の方の中には、双方向イマージョン教育について知りたいと思っているケースも多いのではないでしょうか。双方向イマージョン教育は、子どもの言語力と認知力を高めるために有効な教育方法として広まってきています。

 

本記事では、双方向イマージョン教育に関して、始める時期や母国語と外国語の比率、メリット・デメリットなどを解説します。双方向イマージョン教育以外の英語学習方法も紹介するので、お子様の英会話教育にぜひお役立てください。

 

双方向イマージョン教育とは?

まずは、双方向イマージョン教育の意味や成り立ち、歴史を紹介します。

 

イマージョン教育の意味

イマージョン教育はバイリンガル教育の一つです。イマージョン(immersion)には、「浸す」という意味があります。イマージョン教育は、その意味のとおり外国語にしっかりと浸すことで、外国語をマスターすることを目的とする教育方法です。

 

イマージョン教育のねらいは、日常生活の中で自然に母国語以外の言語を習得することです。例えば英語を習得したい場合、算数の授業を英語で学んだり、体育の指導を英語で受けたりします。英単語や文法を暗記して覚えるのではなく、「実生活の中で英語を使おう」という考えがイマージョン教育の特徴です。

 

双方向イマージョン教育はアメリカで広まった教育方法

アメリカでは、バイリンガル教育の一種である双方向イマージョン教育は、1980年代から実践され始めました。

 

双方向イマージョン教育の特徴は、母国語と第二言語を交えた授業を展開することです。例えば、英語を母国語とする生徒と、英語を母国語ではなく、第二言語とする生徒との割合が同等になるようクラスを構成します。授業に使われる言語は、それぞれの生徒たちの母国語です。

 

したがって、英語を母国語とする生徒と、日本語を母国語とする生徒がいる場合、教師は英語と日本語を織り交ぜた授業を展開します。

 

母国語と第二言語を織り交ぜて学ぶ双方向性イマージョン教育は、母国語と第二言語の能力の習得だけでなく、自分の国の文化と外国の文化を自然と学べるといった特徴もあります。

 

イマージョン教育の歴史

日本におけるイマージョン教育では、英語イマージョン教育が主流です。しかし、最初にイマージョン教育を始めたのは、1965年代カナダにあるケベック州の幼稚園です。イマージョン教育のきっかけは、カナダとケベック州の公用語の違いです。

 

カナダの公用語は英語とフランス語ですが、ケベック州の公用語はフランス語のみです。将来を考えるとケベック州の子どもたちにも英語を習得させたい、という保護者の意向からイマージョン教育は始まりました。

 

試験的に導入されたイマージョン教育の結果、生徒の言語力と学力の向上が確認されました。その後、カナダ全土にイマージョン教育が浸透していったのです。

 

また1970年代になると、アメリカの公立校でイマージョン教育が導入されました。2011年にはアメリカの500校以上で、さまざまな言語のイマージョン教育が実施されています。

 

現在イマージョン教育はカナダやアメリカだけでなく、多くの国に広がっており日本もその中の一つです。

 

イマージョン教育2つの視点

イマージョン教育にはいくつかの種類があります。主に、時期と母国語・外国語の比率で分けられるため、それぞれについて解説します。

 

イマージョン教育を始める時期

イマージョン教育を始める時期の目安は一般的に早期イマージョン、中期イマージョン、後期イマージョンの3つの時期(年齢)で分けられます。ただし、始める時期に対する年齢は各教育機関のプログラムによっても異なります。例えば以下のような年齢に分類されることが一般的です。

 

早期イマージョン 5歳~6歳
中期イマージョン 9歳~10歳
後期イマージョン 11~14歳の間

 

なおイマージョン教育を始める年齢は、早ければ早いほど効果が期待できます。

 

母国語と外国語の比率

イマージョン教育における母国語と外国語の比率は一般的に以下のように分類できます。

 

完全イマージョン すべての教科を外国語で学ぶ(ほぼ100%)
部分イマージョン 一部の教科だけを外国語で学ぶ
二言語同時学習イマージョン 母国語と外国語を組み合わせて学ぶ
双方向イマージョン 二つの言語のそれぞれを母国語とする生徒が混在する

 

完全イマージョンは、すべての教科を外国語のみで実施し、しだいに日本語の割合を増やしていきます。部分イマージョンは、一部の教科のみ外国語で学びます。

 

二言語同時学習イマージョンは、母国語と外国語を組み合わせて学ぶ教育方法です。最終的には、どちらの言語も読み書きができるレベルにまでの到達を目指します。

 

双方向イマージョンでは、母国語と外国語の子どもたちが混在するクラスで一緒に学習します。

 

双方向イマージョン教育のメリット

男性教師からタブレットを用いて英語を習う男の子

例えば英語の双方向イマージョン教育を始めた場合、英語力はもちろんその他のスキルも向上します。本章では双方向イマージョン教育のメリットを紹介します。

 

英語力が自然に身に付く

双方向イマージョン教育では、英語と日本語が半々となる割合で授業が実施されます。小学校の総授業時数がおよそ5,600時間とすると半分の数千時間は英語漬けになる計算です。浴びるように英語に接するうちに日本語に翻訳せず、英語で考えて会話ができるようになるでしょう。

 

前述したように早期からイマージョン教育を受けるほど、スムーズにヒアリングや正しい発音が習得できます。小学生高学年の時期に、ネイティブレベルの言語力が身に付くケースも少なくありません。また、スピーチやプレゼンテーションの能力育成に力を入れる学校も数多く見られます。

 

理解力や認知力が向上する

イマージョン教育を受けると、物事の理解力や認知力が向上すると知られています。バイリンガル教育に多大な貢献を残したジム・カミンズは「敷居理論」にて、双方向イマージョン教育における言語力と認知力の関係を説明しました。

 

敷居理論では、2つの言語のレベルと認知力の関係を3階建ての家に模して表現しています。

 

1階では両方の言語力が年齢に対して未熟です。認知力には影響がありません。

 

2階では片方の言語のみ年齢相当で、もう一方の言語は年齢に対して未熟です。やはり認知力には影響がありません。

 

3階では、2つの言語とも年齢相当に読み書きできるようになります。なお、この段階でようやく認知力の向上が見て取れます。

 

多様性を受け入れる姿勢が育つ

多様性とは、さまざまな人同士が共存する状態を指します。性別や人種、働き方、国籍など人間はさまざまな観点から分類できます。

 

さまざまな個性を持つ人々が共に気持ちよく働いて生活するためには、多様性への理解が重要です。しかし、固定観念や間違った知識が邪魔をすると、多様性を受け入れられません。

 

双方向イマージョン教育を行う学校には、多国籍の先生が在籍します。多様性を受け入れる姿勢が育つため、社会に出てからも役立つでしょう。

 

双方向イマージョン教育のデメリット

双方向イマージョン教育のデメリットを紹介します。学費と保護者のサポートがネックとなり、双方向イマージョン教育に踏み切れない保護者も少なくありません。

 

学費が高い

イマージョン教育で使用する教材は、一般的な幼稚園や小中学校で使用する教材とは異なります。学校によって独自のものを使用することが多いため、追加的な費用が必要になることも少なくありません。

 

また、教師の採用にコストがかかることで学費が高くなりがちです。イマージョン教育を実施する先生は、日本語と外国語の両方が堪能でなければなりません。もちろん、外国語以外の教科の指導力も問われます。

 

保護者のサポートが必須

上述したカミンズの敷居理論では、「英語と日本語のいずれも年齢相応のレベルであれば、認知力が向上する」と提唱しています。しかし、「両方の言語のレベルが低い子どもにバイリンガル教育を行うと、理解力や認知力にマイナスの影響を与える」とも言及している点に注意してください。

 

子どもの言語力によっては、理解力や認知力に効果が得られないケースも想定されます。イマージョン教育の効果を得るには、中途半端な教育にならないよう保護者のサポートが必須です。保護者は、家庭で子どもとたくさん会話をして、母国語の教育に力を入れましょう。

 

双方向イマージョン教育以外に英語を学習できる方法は?

インターナショナルスクールで学ぶ子供たち

双方向イマージョン教育以外でも子どもの英語学習は可能です。例えば、インターナショナルスクール・英会話教室・オンラインスクールなどがあります。本章ではそれぞれのメリット・デメリットを紹介します。

 

インターナショナルスクール

インターナショナルスクールは、日本に在住する外国籍の子どもたちのための教育施設です。日本人でもインターナショナルスクールへの入学は可能です。インターナショナルスクールに入学すると、言語力が向上し、外国籍の生徒との関わりを通じて異文化に触れられます。

 

一方、インターナショナルスクールは日本の義務教育とは認められない場合があります。進路の幅が狭まる可能性もあることは理解しておきましょう。

 

英会話教室

英会話教室では、講師と対面してレッスンを受けられます。資格取得、志望校合格などの目標がある子どもには、英会話教室もおすすめです。英会話教室では目標に応じたカリキュラムが組まれているため、着々と目標に近づけるでしょう。

 

ただし、英会話教室のみでは英語に触れる時間が不足しがちです。ネイティブレベルの言語力を身に付けるためには、英会話教室以外の手段も検討しましょう。

 

オンラインスクール

オンラインスクールは、英会話教室のレッスンをオンラインで受講でき、場所を選ばずに授業を受けられます。子どもに合ったカリキュラムが用意されているため、無理なく続けられるでしょう。

 

またオンラインスクールでは、日本語と英語の両方のスキルがネイティブレベルの講師が在籍しているケースもあります。高い費用をかけずに活きた英語を身に付けられることが大きなメリットです。

 

一方オンラインで受講するため、インターネットの通信環境や利用する端末を用意する必要があります。

 

オンライン英会話教室なら自然に英語が身に付く

双方向イマージョン教育とは、自然な言語力の習得を目指す教育方法です。双方向イマージョン教育により言語力が上達すると、他の教科の学習にも良い影響をもたらします。

 

株式会社ハグカムのGLOBAL CROWNは、子どものためのオンライン英会話スクールです。GLOBAL CROWNの先生は、いずれもネイティブレベルで日本語と英語を使えます。双方向イマージョン教育などバイリンガル教育にご興味がある保護者の方にもおすすめです。まずはGLOBAL CROWNの無料体験レッスンをお試しください。

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